津波警報が出た時の避難場所はどこなのか? というタイトルで、USJ公式なものと勘違いされる方がいると困るので、最初に断っておきます。
ブログ管理人のワタシが個人的に考えた対策です。
では本題に入ります。
2019年6月18日午後10時過ぎ、山形県沖を震源とするマグニチュード6.7の地震がありました。
この地震により、山形県、新潟県、石川県の沿岸に津波注意報が発表されました。夜の津波って、考えただけで恐ろしくなります。
実際に津波が観測されたものの、結果的に、津波による大きな被害が無かったのは幸いでした。
翌日の報道で、津波による大きな被害が出なかったことが分かってから、もし、USJにいるときに津波警報が出たら、どこに逃げたら良いのか?
そんなことを考えました。
パークではどのような対策が行われているのかと、USJのホームページを見てみました。
津波のキーワードで検索しても、それらしいものは見つけれませんでしたが、避難で検索すると、各アトラクションの利用基準詳細に『緊急時の退出につきましては、アトラクション・クルーがご説明します』という説明がなされていました。
基本的にはUSJの指示、誘導に従うことが一番です。
でも、停電などのトラブルで指示が聞こえないケースもありえるでしょう。
結論から言うと、そんな場合、USJ内には高い建物がないため、ワタシならパークの外にあるホテルや商業ビルに避難すると思います。
でも、時間的な余裕がなかったらどうするか?
何らかの理由で逃げ遅れた場合、どうすれば良いのか?
これらについて考えてみました。
(バックヤードは分からないので)パーク内で避難場所を考えると、二階に避難する場所が少なく、避難できる場所が限られているのが現実です。
ハザードマップで見るUSJ付近
USJは大阪湾に近く、すぐ近くを安治川という大きな川が流れています。
このことから、もし近くを震源とする地震がおきた場合、時間をおかずに津波が襲ってくることが考えられます。
そこで、ユニバーサルスタジオジャパンの所在地、大阪市此花区のハザードマップを確認してみました。
このハザードマップに『マグニチュード9.1程度の地震が発生し最大クラスの津波による浸水が起きた場合(防潮堤の沈下や傍聴施設の開閉状況を考慮)(満潮時を想定)』した場合の浸水の深さが想定されています。
このハザードマップを見るとUSJ付近の浸水の深さは0.1m未満となっています。
0.1mということは10cm。
この程度の浸水でどのような被害が出るのか分かりませんが、大阪市のHPには以下のようなことが書かれています。
(浸水の)深さに注意
- 浸水時は50cm以上の深さになると歩いて避難できなくなります。
- くるぶし程度の浸水でも、流れが激しい場合は歩行せず高いところで救援を待ちましょう。
くるぶし程度の浸水となると、10センチ程度と考えていいでしょう。
10センチ程度とはいえ、東北の地震の後、色んな検証が行われたものをテレビで見ると、水深が浅くとも、流れの強い場所は危険だという認識を持つようになっています。
パーク内で避難できそうな場所を紹介する前に、USJの立地や環境を確認してみましょう。
赤いところがUSJの場所です。
北に正連寺川、南に安治川が流れ、西には大阪湾があります。
一方を除き、水に囲まれている立地で、北の正連寺川、南の安治川ともに、内陸に向かうに従い川幅が極端に狭くなっています。
上に貼ったマップのすべての範囲を見ることはできませんが、写真でUSJのある場所を確認してみましょう。
USJに一番近いホテル、パークフロントホテルから見たUSJと安治川、大阪湾の位置関係です(分かりやすいようにホテルや駐車場ができる前の写真です)。
赤く網掛けしている部分がUSJです。
どれだけ川と海に近いか分かってもらえると思います。
高低差マップで見るUSJ付近
次に、USJ付近の高低差を見てみましょう。
USJ内を歩く分には感じませんが、パーク内のほとんどの部分は【 かさ上げ 】して作られているため、周りの土地よりも高くなっています。
そのため、浸水被害が少ないと想定されているのだと思います。
しかし、本当に津波が襲ってきたら、想定を超えたことが起きるかもしれません。
ではここから、USJ内にいる時、津波が来ると想定した場合、どこに逃げれば良いのか調べたレポートを行います。
2階部分があるレストランに避難する
津波から逃れるには『高いところに逃げる』。
これが基本ですよね。
しかし、残念なことにUSJの中には二階建て以上の高い建物があっても、ゲストが自由に入れる場所はほとんどありません。
和食レストラン彩道
唯一、常時ゲストが出入りしているのは『レストランの彩道』です。
このレストランは2階にあります。
下の写真の緑の矢印が入り口で、赤で網掛けした、建物の2階部分がレストランとなっています。
この彩道は、ミニオンパークの前にあります。
一つ注意してほしいのは、開園から閉園まで、ずっと開いていることは、ほとんどないので、時間によったら避難できない可能性があります。
イベントで利用されるロンバーズランディング
もう一つ、二階部分があるレストランがロンバーズランディングです。
ただしここは、常時オープンしていないのと、二階に上がる階段があるだけです。
※もし、二階でパーティが行われていたら入れる可能性があります。
ここも写真で見てもらいましょう。
場所は、バックドラフトのあるサンフランシスコエリアです。
下の写真の矢印で示した部分が、店の外から二階に上がる階段です。
二階があるものの、レストランがオープンしている時間であっても、店内から2階部分に上る階段があったか、久しくこのレストランに入っていないため記憶に残っていません。
しかし、写真で紹介した階段部分は外の階段となっているので、逃げ遅れた数人であれば、緊急時の避難場所として上がることができるでしょう。
エリア別の避難できそうな場所
次に、各エリアで避難できそうな場所を紹介していこうと思いますが、先に書いたように、避難できる高い建物がないため、パーク内の高低差を見て、少しでも高い位置を紹介するにとどまるエリアがあることを断っておきます。
ニンテンドーワールド
ニンテンドーワールドは、エリア自体が少し高くなっています。
しかし、気を付けたいのは、2層の作りになっていて、高低差があるということです。
レストランのキノピオカフェや、ショップの1UPファクトリーは下層にあるので、上の階に避難するほうがよいでしょう。
ニンテンドーワールド内で、ゲストが避難できる場所といえば、マリオカートの待ち列があります。
ここは、上層階にあるうえに、さらに階段で上にいく場所なので、その分高くなっています。
ハリーポッターエリアはホグワーツ城あたりが高い
ハリーポッターエリアは入り口が低く、奥にあるホグワーツ城が高い立地となっています。
このあたりが一番高いものの、避難できそうな建物は頭に浮かびません。
ユニバーサルワンダーランド
ユニバーサルワンダーランドも入り口が低く、奥に行くに従い高くなっています。
一番高くなっているのはメリーゴーランドのあるあたりです。
メリーゴーランドは、さらに一段高くなっているので、ここも避難場所として考えました。
ユニバーサルワンダーランドでは、気を付けてほしいことがあります。
エリア内の2か所は、今紹介したメリーゴーランド付近と比べ、かなり低くなっている場所があるのです。
その一つが小学生用のゴーカート、セサミのビッグ・ドライブのあるあたり。
下の写真がセサミのビッグドライブの入り口あたりで、写真の左に石の壁があることが分かると思います。この高さの分だけ低くなっているのです。
そしてもう一つがワンダーランドの一番奥にある屋内施設、エルモのイマジネーションプレイランド内にあるアトラクション『エルモのバブル・バブル』のあたりです。
ここも入り口から下がった作りになっているため、避難するには向いていないように思います。
ハリウッドエリア
ハリウッドエリアで高い場所で頭に浮かんだのは、ジェットコースター、ハリウッド・ドリーム・ザ・ライドの乗り場です。
上の写真がハリウッド・ドリーム・ザ・ライドの入り口です。
ここを入ると、ライドの乗り場が見えます↓
ライド乗り場に階段で上がることができます。
ミニオンパーク
ハリーポッターエリアと並ぶ人気エリアミニオンパークも、入り口から奥に行くに従い高くなっていて、一番奥まったところにあるミニオンハチャメチャライドのあるあたりが一番高くなっています。
ミニオンハチャメチャライドの建物の中には階段があり、高いところに避難できる場所があります。
ジュラシックパークとサンフランシスコエリア
ジュラシックパークとサンフランシスコエリアは隣接していまして、その中間点に橋が架かっています。この二つのエリアで一番高い部分が、この橋のあたりです。
目印として、ザ・フライングダイナソーの出発地点となるレールが橋の上にあるので分かりやすくなっています。
そのフライングダイナソーのライドの乗り場・降り場が高くなっているので、避難場所として頭に浮かびました。
ニューヨークエリア
ニューヨークエリアで考えられる避難場所は、わずかしか高くなりませんが、建物の階段↓
ショーのステージ。
あと一つはバックヤードともいえるのですが、スパイダーマンザライドの待ち列が長くなったときに使用される場所です。
ここは2階建てになっています↓
津波を想定したUSJ内の避難場所のまとめ
ここまで紹介した場所は、津波から逃れるため、ワタシがゲストの立場で考えられる少しでも高い場所です。
また、繰り返しますが、通常は立ち入り禁止になっている場所があるので、このブログを読んで、平常時に立ち入り禁止部分へ入ることはやめてくださいね。
避難場所として紹介した場所が、津波の原因となる地震で被害を受けた場合は危険ですし、目に見える被害がなくとも、立ち入り禁止になるかもしれないので、いざその時になって、確実に避難できる場所とは限りません。
また、どの場所も多くのゲストが避難できるスペースはないので、あくまで少人数の緊急避難場所として考えてくださいね。
紹介することができなかったものの一つに、アトラクションの協賛企業のラウンジがあります。
ワタシもずいぶん前に、ターミネーターのラウンジに行ったことがあります。そこは二階でしたが、現状、使われているのか分かりません。
今回、パーク内を歩いて感じたのは、津波警報が出た場合、USJから出てユニバーサルシティウォークの商業施設や、ホテルに避難するのが一番だということでした。
コメント
管理人さまへ
いつも懐かしく拝見しております。
東日本大震災のときのディズニーリゾートは、メディアでキャストの対応が賛美されるほどでしたね。
USJにもあの時のような大震災は来てほしくはないのですが、やはり気になります。
あの時のディズニーリゾートを参考にしますと、大震災時にはすべての施設からゲストとキャストは外に出されていました。
施設の安全が確認できるまで立ち入ることができなかったようです。
さらにパーク外も安全確認のため、しばらくは退園もできなかったようです。
駐車場や道路の確認の後、ようやく自力で帰宅できる人から退園可能になりました。
それでも帰宅困難の大勢のゲストが残り、しばらくは夜の寒空の下、長時間通路で施設の安全確認を待つしかなかったようです。
キャストが普段はパーク内では見せない段ボールやゴミ袋を防寒用にゲストに渡していました。
このようなことから、USJも大震災時はすべてのパーク内の施設には立ち入れないと思われます。
また、建物損壊の状況のわからないパーク外へゲストの退園をすぐに認めるのかもわかりません。
そんな状況でも、被害状況の確認がしやすく、損傷もあまりなさそうな高い施設が、立体駐車場です。
クルーの専用通路を使えば、早くパークから移動できるかと思います。
隣に新しく立体駐車場も増えたことなので、これらに災害備蓄をしておけば安心かもしれません。
例え満車でも車路は空いていますし、いざとなれば車のライトや電源なども使えます。
パーク自体はかさ上げしていても10センチの冠水ということは、事務所のある1階は完全に水没ということになりますね。
南海地震であれば、大阪なら地震発生から約1時間で津波到達なので、それまでにUSJは何かしらの決断が必要になるかもしれません。
>もっピーさんようこそ
このブログを書きながら、どの程度まで踏み込んで書けば良いのか迷い、書き直しや訂正を繰り返し、書き終わるまで5日ほどかかりました(^▽^;)
色々と考えて書いたつもりでしたが、6月の山形県沖の地震後の津波警報をもとに、津波のみを想定してブログ書いたため、建物の被害の程度を考慮していないことに頂いたコメントで気づきました。書かれている通り、地震と津波これはセットで考えないといけないですよね。
東北地震の後、再開されたディズニーのパーク内は元のように見えても、舞浜駅周辺では、その後何年も元通りになっていないのを見るたびに、地震当時の様子を想像したことが思い起こされます。
地震や津波は予想できないことが、予想できない規模で襲ってきます。
パーク内にとどまるのが安全なのか、出るほうが安全なのかなど、避難誘導などが的確だったのかは、災害が落ち着いてからでないと判断できないようにも感じています。
地震だけであれば、被害を見極めて、倒壊などの恐れがない安全な場所に避難するのが最善だと思います。
でも津波の場合、東北地震の津波を経験したあとの教訓は、少しでも高いところに避難する。これしかありませんよね。
このことから、書かれている駐車場への避難はパーク外と言うこともあり想定しませんでしたが、高いところに避難するという意味で、頭に入れておくべきことだろうと思います。
もっピーさんのコメントでもう一つ気づいたのが10センチの浸水でパーク機能をつかさどる1階部分が浸水してしまうということでした。
もし完全に浸水した場合、クルーに指示を出すことができなるなるのでは? という考えが湧いてきました。
最悪、先日の九州の大雨の際、気象庁の方が話されていたように、「自分の身は自分で守る」これしかないのかも。と考えてしまいます。
管理人さまへ
実は私も何度も読み返し、書き直しをしていました(^_^;)
実際には何かしらのUSJ防災マニュアルがあるとは思いますが、まったく内容がわかりませんので、想定での話をしていいのか悩みました。
ただ、阪神淡路大震災を経験し、東日本大震災を見聞きし、各地で地震が多発する時代に、万が一の想定話をしてもいいような気もしました。
もしその時に遭遇してしまったら、まずはクルーの指示に従う、安全を確保する、皆で正しい最新の情報を共有する。
管理人さまの言う通り、自分の身は自分で守るの気持ちが必要ですね。
そういった意味でも、今回のブログの各エリア高低差情報は役立つ情報だと思います。
>もっピーさんようこそ♪
書かれている通り、『想定での話をしていいのか?』これで迷いました。
USJ公式の資料がないのに、出しゃばったことを書いていいのか? と、とても迷いました。
安全確保って、その時の状況で、何が最善なのかを瞬時に判断するのがとても難しいことは過去の災害をみても分かります。ただ、早めの行動をとることが良い結果につながったのは間違いないと思います。
津波を想定した場合、少しでも高いところという意味では、このブログを書くにあたり、パーク自体の高低差が周りよりも高いということを知っただけでも、個人的にも少し安心材料になりました。
先のコメントでいただいた、10センチの浸水だった場合、パークの事務所などは完全に水没してしまうという話について、思い出したことがありました。
シティウォークのビルにUSJが入っているんです。ここにもし、危機管理室があれば、パーク下が浸水しても機能するんじゃないかと考えています。
この手のブログ書くのは疲れますが、このようなコメントをいただいたことで、書いてよかったと感じています。ありがとうございました。
はじめまして、ちょくちょく拝見させていただいております。たわわです。
震災対策技術展という催しが毎年行われております。実はUSJも、専門家向けのセミナーを過去に何度か提供しています。
この中で、災害時のパークでの避難方針なども参考として示していますが、基本的にはパーク内の土地の高さでは、設計津波には安全です、落下物や火災の方がまずは怖いので建物の外に避難します。その後に必要なら、大人数がまとまって避難できる駐車の上階に待避します。
個別の建物は、収容数の関係で将棋倒しが怖かったり、誘導が混乱して時間がかかるから使わない方針です。
というような、話だったと思います。
事前予約すれば、一般人でも毎年聴講できるので、来年以降もUSJがセミナーを提供すろようでしたら、参加してみてはどうでしょうか。
かしこ。
>たわわさんようこそ♪
コメントありがとうございます。
『震災対策技術展』。
初めて聞きました。
調べてみると、委員の肩書を見るだけでだけで、ずいぶん大きな催しだと理解できました。
大阪での今年の催しは無く、来年6月の予定が書かれていまして、現状、参加できる日程ではないのですが、もしタイミングが合えば、聞いてみたいと思います。
この『震災対策技術展』でUSJが提供した話は、地震の被害がパークに及んだ際のことなのでしょうね。
このブログを書くにあたり、津波が来る理由の一つが地震であるため考慮に入れるべきだと思い書き進めていたのですが、どこが安全で、どこが安全ではないのか?
これについて、被害状況を正確に把握できないと書けないことに気づきました。
そのため、今回のブログでは、地震の被害を想定していないことを書いていないため言葉足らずでしたが「津波警報が出た時の避難場所」ということに絞って書くことにしました。
いただいたコメントの話は、USJが公に出しても良いように感じますが、大勢の人が避難できるかどうかは、駐車場が被害を受けていないことが前提だと思います。
地震や津波は人間の想定をはるかに超えることが考えられるため、絶対に安全とは言い切れない部分があるため、公にしにくいのだろうと推察します。
考えれば考えるほど、被害を想定することの難しさを感じました。それについてブログを書くこともまた難しいと感じています。
しかし、たわわさんのようなコメントをいただくと、書いた意義はあったかも? とも感じています^^